2023/04/02投稿者:スタッフ

【転職体験記】「子どもに薬剤師としての姿を見せたい!」社会人経験なし・未経験からのチャレンジ《薬剤師》

転職コラム 武田さん(30代・女性)

武田さんプロフィール
前職:社会人経験なし / 現職:薬剤師(総合病院勤務)
※個人のプライバシー保護のため、お名前を仮名にし、一部内容を変更させていただいています。

 

薬剤師としての勤務前に妊娠がわかり退社。子育て中のとあるきっかけで…

苦労して合格した薬剤師の国家試験が終わり、大学卒業後、大手ドラッグストアへ就職された武田さん。
入社式直後の研修中に妊娠が発覚し、産休の対象とはならず会社を退職。
その後、二人のお子さんの出産・子育てをされるなかで、お子さんが薬に興味をもたれたことをきっかけに、自分が必死で薬剤師を目指していた意味を考えるようになったそうです。

 

しごとセンターならへの相談のきっかけは、友人からのご縁。
大学時代の友人と食事をしていたときに、ふと前述の話をしたところ、突然友人がスマートフォンの画面を見せて、しごとセンターならの相談会へ参加するように勧めてくれたそう。
躊躇するご本人の代わりに電話問い合わせのボタンを押し、スマートフォンを手渡してくれたので、震えながら相談会へ参加申し込みをしたとお話くださいました。

 

 

薬剤師としても社会人としても未経験、未知の世界へ踏み出す怖さ

相談会に来てくださった武田さんは、うつむき加減で自信なさげにされていました。
薬剤師としてだけではなく、社会人としても経験がなく、前半は震えながら押さえきれない涙をハンカチで拭かれていましたが、「子どもに薬剤師として働く姿を見せたい」とお話くださり、内に秘めた強い意志が垣間見えたことが印象的でした。

当時、お子さんは幼稚園に通われており、延長保育もなかったため、時間の制約があるなかで、社会人経験がなく薬剤師としても未経験。
当時の武田さんのご経歴では、すぐに求職先を見つけることは、なかなか困難でした。

 

 

強い意志を支えるようにご縁が生まれ、一歩を踏み出せることに

そんな中、大阪にある病院の薬局長さんへ事情をお話した際、子育てをしながら薬剤師として勤務されてきたご自身の奥さまと重なる部分もあったのか「どんな条件でも受け入れましょう。薬剤師としてしっかりと育てるから、もしよかったら」とおっしゃってくださり、すぐに武田さんへご提案。


武田さんは当時ご主人のお仕事の都合で奈良へお住まいでしたが、ちょうど大阪へご主人の転勤が決まり、いずれは故郷でもある大阪へ家族で帰りたいと思っておられたとのこと。
そんな偶然の後押しも相まって、面接へ進むことを決意されました。

面接でも、未経験の地へ踏み出す怖さで後ろ向きになりがちなご本人を諭すように薬局長が励ましてくださり、変則的な就業時間の条件も含め、受け入れてくださいました。
勤務から最初の半年は、子育てと薬局長独自の宿題をこなしながらがんばり、1年経ったいまではしっかりと「お母さんは薬剤師」とお子さんに伝えられるようになったとのことです。

 

 

薬剤師としての仕事をあきらめなくてよかった

転職活動を終え、「あの時、友人が無理矢理電話をしてくれていなかったら、相談会で泣いて話にならないのを長時間聞いてもらっていなかったら、薬局長が受け入れをしてくださっていなかったら、おそらく薬剤師としての仕事をあきらめていたのではないか。しごとセンターならさんに出会わなければ、今はないと思います。」とお話くださった武田さん。


薬局長さんからも「薬剤師として、女性や母親として妻が悩んできた子育て当時のことと、当時を糧に患者さんのお役に立てている現在を見ていて、武田さんへも最大限のサポートをしたい」と心強いお話をいただきました。

 

 

コンサルタントから当時を振り返って

ブランクからの復帰や未経験からのチャレンジは、不安や変化も多く、本当に大変なことだと思います。当初泣いてばかりだった武田さんを現在の姿に導いたのは、お子さんに「薬剤師としての自分の姿を見せたい」という強いご意志でした。また、やはり苦労して合格された薬剤師資格へ誇りを持っておられたことも、大きかったように思います。
初出社初日、役所への届出のため提出を求められた薬剤師免許証を、額装のまま持参された武田さん。立派な額が薬剤師への深い思いを物語っており、笑いに包まれながらも感動的なシーンでした。

不安や未知への恐怖を乗り越えていくのは、ご本人の強い意志。そしてその意志をあきらめない限り、人のご縁や環境に出会えるのだと学ばせていただいたご紹介でした。
これからも、武田さんのますますのご活躍を心よりお祈りしています。