2025/05/08
【転職体験記】思い切った提案が現実に――ある看護師さんとの出会いから
転職体験記 網山さん(20代・女性)
前職 : 急性期病院 看護師 / 現職 : ケアミックス病院 看護助手
※個人のプライバシー保護のため、お名前を仮名にし、一部内容を変更させていただいています。
転職活動を始められた経緯を教えてください。
前職で体調を崩し、人間関係でも悩んでいたため、環境を変えたいと思い、転職活動を始めました。
しごとセンターならへ相談してみようと思ったきっかけを教えてください。
地域で発行している本に医療職の仕事相談会が開催されるということが記載されていました。対面で相談でき、自分の気持ちや現在どうしたいかなどの意向が伝わりやすいかと思いご相談させて頂きました。
面談やコンサルタントとのやり取りで印象に残っていることはありますか?
自分がどう思っているか意向などを親身に聞いていただいたこと。
派遣期間を振りかえって、一番大変だったことは何でしたか?
特に大変だったと思ったことはいないです。楽しく働かせて頂きました。
派遣から直接雇用転換の流れで良かったと感じる点、悪かったと感じる点はありますか?
自分の意向をお伝えしてから直接雇用までの期間の短さ・迅速な対応をしてくださったことが嬉しかったです。
最後に、現在転職活動している方に向けてメッセージをお願いします。
転職するかどうか悩んでいる方はまずご相談だけでも良いかと思います。誰かに悩みを打ち明けるだけでも気持ちが楽になると思います。
思い描いていた理想と実際のギャップ・・・
網山さんと最初にお会いしたのは、弊社の就職・転職相談会でした。
とてもお若く初々しい印象と同時に、どこか疲れたような、曇った表情が強く印象に残っています。
お話を伺っていくと、大学を卒業してすぐに看護師免許を取得され、地元でも有名な大きな病院に就職してまだ4か月目。他府県から奈良に来て初めての一人暮らし、そして多くの同期たちとの比較…。
頑張っている自分と、思い描いていた理想のギャップに苦しみ、体調も崩してしまい、休職を考えているというお話でした。
それでも、「患者さんの力になりたい」という気持ちは変わっていない。
親御さんへの心配もあるなかで、丁寧に、そして真っすぐに気持ちを打ち明けてくださいました。
初対面にも関わらず、40〜50分ほど率直にお話しいただいたことは今でもよく覚えています。
コンサルタントとして提案その①
そのうえで私は、まずは無理をしないことを優先し、
・しばらくは休職して心身を休めること
・落ち着いてからは、今のような競争やプレッシャーの少ない、小さめの病院に転職すること
という2つの提案をお伝えしました。
とはいえ、「まだ半年も経っていないのに…」「急性期で働くという夢から離れていいのか…」という迷いも当然あったようです。
あまり押しつけるような提案にしてはいけないと感じつつ、最後にもうひとつ、角度を変えて少し違うアプローチをお伝えしました。
コンサルタントとして提案その②
それは、
・競争のない、穏やかな環境であることを第一に病院を選ぶこと
・いきなり看護師としてではなく、“看護助手”として無理なく関わること
・周囲には看護師資格を伝えず、プレッシャーを減らした状態で働くこと
・万が一、環境が合わなかった時にすぐに見直せるよう、“派遣スタッフ”という形でスタートすること
――この4つのポイントを軸とした提案でした。
網山さんの表情が少し柔らかくなり、「それなら…」と前向きに検討してくださったのを見て、私自身も少しホッとしたのを覚えています。
その日はそのままお帰りになりましたが、翌日すぐにご提案した病院の人事担当者とアポイントを取り、看護部長とも打合せ。
「若い方が前向きに働けるなら、ぜひ力になりたい」と、病院側も快く受け入れてくださり、網山さんにその旨をお伝えしました。
提案が現実に・・・
それから1週間後、網山さんから「お願いしたいです」とお電話が。
親御さんとも相談され、ご自身の中で答えが出たようでした。
病院との面談もスムーズに進み、勤務開始日や現在の職場での円満な退職についても、こちらでしっかりサポートさせていただきました。
こうして無事に、派遣スタッフとしての勤務がスタート。
勤務開始から数か月は、何かとやり取りを重ねながら近況を伺っていましたが、3か月後、久しぶりにお電話した際の、あの明るい声は今でも忘れられません。
「順調そうですね」とお聞きしたら、「わかりますぅ?めっちゃ充実してます!」と即答。
あの時のトーンの変化は、私にとっても大きな喜びでした。
スピードアップして急展開
さらに2か月後のお電話では、
「このままここで正社員になりたいです。しばらく看護助手として働いて、介護福祉士を取ってから看護師復帰でも遅くないと思っていて」
とご自身の言葉で、これからの道をしっかり語ってくださいました。
正直、「看護師としてすぐに戻る道もあるのでは…?」という気持ちも少しだけありました。
でも、初めてお会いしたときの影のある表情と、今の生き生きとした声を思い返すと、やりたいと思える環境で、自分らしく進んでいける今を何よりも大切にしてほしい。
そう思い、人事の方にすぐ連絡し、無理をお願いして派遣契約終了後に正社員として迎えていただけるように調整しました。
「せっかくの資格がもったいない」と思う気持ちは、これまでの“正しさ”かもしれません。
けれど、網山さんが自分の「こうしたい」を言葉にできたこと、そしてその環境を一緒に見つけられたこと――。
そのプロセスに関われたことを、私は心から嬉しく思っています。
そして、そんな環境を与えてくださった病院の皆様にも、改めて感謝を申し上げます。
転職に迷った時、正解がひとつとは限りません。
時には立ち止まったり、遠回りすることで、自分にぴったりの場所が見えてくることもあります。
「こんな自分でも相談していいのかな?」
そんなふうに思っている方こそ、ぜひお話を聞かせてください。
一緒に、あなたらしい働き方を探していけたらと思います。
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